私は子どものころにテレビ東京で放送されていたアニメ版・バットマンが大好きだった。
アメコミアニメ特有の妙なスタイリッシュ感は子ども心を刺激するには充分で、毎回の放送を心待ちにしていた。
そのアニメ版・バッドマンの劇場版である『バットマン マスク・オブ・ファンタズム』はバットマンならではの重厚なストーリー展開とコミカルな展開が混ざりあった名作で、大人子ども問わず楽しめる作品だ。
この記事では『バットマン マスク・オブ・ファンタズム』のあらすじ・見どころ・感想を紹介する。
『バットマン マスク・オブ・ファンタズム』あらすじ
ゴッサムシティにギャングを葬るマスクの怪人が現れる。
怪人と同じような姿のバットマンは犯人扱いされ、警察に追われながらマスクの怪人を探しはじめる。
そこにブルース・ウェイン(バットマン)が10年前にプロポーズした恋人・アンドレアが現れる。突然姿を消したアンドレアが戻ってきたことで、ブルースは混乱する。
バットマンとしても、ブルースとしてもに悩みを抱えながら、解決に動くと物語は複雑に絡みはじめる。
『バットマン マスク・オブ・ファンタズム』見どころ
バットマンとマスクの怪人
冤罪をかけられたバットマンと、本来の犯人であるマスクの怪人。
バットマンと信頼関係があるゴードン(警察本部長)は捜査に反対するものの、アーサー議員の一声でバットマンが犯人とされてしまう。
マスクの怪人はなぜギャングを始末してまわるのか、その正体は誰なのか。
ブルース・ウェインの過去も絡みあうスリリングなストーリー展開が面白い。
ブルース・ウェインのロマンス
バットマンシリーズではバットマンの中の人(ブルース・ウェイン)と女性のイチャイチャ展開が多い。
今回も相変わらずブルースが女性に振り回される。
『バットマン マスク・オブ・ファンタズム』で登場するアンドレアは10年前にブルースのプロポーズをOKしながら、突然姿を消した女性。
謎を抱えた女性・アンドレアが徐々に物語の中心人物になっていきます。
バットマン前日譚
『バットマン マスク・オブ・ファンタズム』には、ブルースがバットマンとしての地位を築く前の物語も含まれている。
いつも見ているバットマンよりも危なげで、自警活動をはじめる前の初々しさを味わえる。
目出し帽姿で奮闘するブルースも見どころのひとつだ。
絶対吹き替えで見るべきジョーカーの怪演
バットマンのアニメシリーズは声優陣が素晴らしい。
絶対吹き替えで見るべき!
バットマン役の玄田哲章さんは、野太く落ち着いた声でバットマン&ブルースのイメージにピタリ。
玄田さんも素晴らしいが、ジョーカー役の青野武さんがとにかく恐ろしくてパーフェクトなのだ。
アニメ版ジョーカーはコミカルな動きが多く、一見すると愉快な白塗りおじさんだが、ジョーカーに恐怖をプラスするのが青野さん。
青野さんも陽気な声色だが、それがジョーカーのコミカルな動きと相まって本当にイカれている奴が完成する。
青野さんのジョーカーを聞くだけでもおつりがもらえるぐらいの怪演。
『バットマン マスク・オブ・ファンタズム』感想
バットマンはアメコミのキャラクターとしては知名度の高いヒーローだ。
バットマンの実写映画を見た人も多く、クリストファー・ノーラン監督のバットマン3部作の重厚な雰囲気が好きな人も多いだろう。
その重厚感のあるストーリーはそのままに、コミカルなジョーカーが登場したり、お茶目なアルフレッド(執事)が見られる『バットマン マスク・オブ・ファンタズム』は私のお気に入り作品だ。
ブルースの幼少期のトラウマや、ロマンス、バットマンとしての苦悩などバットマンシリーズのメインテーマがしっかりをカバーされている点はバットマンファンからも評価されるポイント。
1993年製作ながら、全く色あせない『バットマン マスク・オブ・ファンタズム』は手元に置いて何度でも見たい作品だ。
おわりに
私は もともとVHS版を所有していたが、ビデオデッキが無くなってしまい視聴環境が無くなってしまった。
その後にDVD版を発見したおかげで、子どもの頃と変わらず、年に数回は本作を見ている。
ティム・バートン版とクリストファー・ノーラン版の中間といえるテイストなので、万人受けするバットマン作品に仕上がっているのでおすすめだ。