世論を動かす社会派ゲーム『ヘッドライナー:ノヴィニュース』レビュー【評価・感想】

4 min
『ヘッドライナー:ノヴィニュース』レビュー
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ニュースでは「誰々が悪い」と断じている。最初は気にもしていなかった。

そのニュースを何度も目にするうちに、それが真実であるかのように錯覚しはじめる。
この人は悪人なのだと。

『ヘッドライナー:ノヴィニュース』レビュー01
『ヘッドライナー:ノヴィニュース』タイトル画面

『ヘッドライナー:ノヴィニュース』は新聞社の編集長となった主人公が掲載する記事を取捨選択し、世論をコントロールする社会派アドベンチャーゲームだ。

開発はUnbound Creations、発売はニッチな海外ゲームを多数日本流通させてきたChorus Worldwideが担当している。

Unbound Creations

Jakub“ Koobazaur” Kasztalskiによって設立されたゲームスタジオである。彼はポーランドの出身で、人文科学と民族紛争について研究した。

これまでに世界中を旅して、ゲーム、ストーリーテリング、映画撮影に携わり、現在はシアトル在住。

アドベンチャーゲームは数多くリリースされているが、世論とマスコミの関係性を軸としたタイトルは珍しい。

最初はあれこれと悩みながら進めていくが、いつの間にか意図的に世論を動かすことへの罪悪感も薄れていく。

この記事では『ヘッドライナー:ノヴィニュース』のレビューをお届けする。

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レビューにあたりPS4版でプレイしたが、SwitchやXbox Oneでもリリースされている。

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過去のアドベンチャーゲームのような操作感

『ヘッドライナー:ノヴィニュース』をはじめると、突然町にプレイキャラクターが現れる。

矢印の示すとおり、左に進んでいく途中で本作の舞台であるノヴィスタンの現状が語られ、主人公が一流新聞『ノヴィニュース』の編集長だと明かされる。

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イントロダクションが終わると《雇用申請書》を記入する。
名前を入力し、チュートリアルの有無、性別、外見などを選択できる。

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ノヴィニュースの雇用申請書

ボスから仕事の説明を受け、自分のデスクで勤務スタート。

日々の仕事は記者から提出された記事を読み、ノヴィニュースに掲載するか否かを判断するだけ。

掲載OKのチェックかNGの×を選択するだけなので、操作は難しくない。

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掲載OKにした記事にはチェックがつく

ゲーム中盤からは、主張が正反対の記事が2つ表示され、どちらかを選ばなければならない場面がある。

その選択は方向キーではなく、左の記事を掲載する場合は◯ボタン、右の記事を掲載する場合は×ボタンとなっている。この操作だけはわかりにくい。

記事の選別が終わると勤務終了となり、会社を出て帰宅後にベッドに入ると1日が終わる。

帰宅中には同僚や兄と会話をしたり、他人の雑談が耳に入ってきたりする。

進行状況によってはイベントが起こることもあり、ただ帰宅するだけではない。

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記者のエヴィ

他キャラクターとの会話は選択式なので、過去に同様のアドベンチャーゲームをプレイしたことのある人であれば、懐かしさを感じるシステムだ。

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意図しない方向に世論を動かしてしまう危険性

ゲームプレイの肝となるのが、掲載記事を選ぶことによって行われる世論操作だ。

  • 政府の外交姿勢
  • 国民の医療問題
  • 警察による監視
  • 合成アルコールの良否

上記のようなトピックを中心に記事を選んでいく。

たとえば、医療問題は主に2つの問題があるが、そのうちの1つは国民全員を保険の対象にするか否か。

日本に住んでいる私としては全員皆保険に賛成なので、そういった主張の記事を掲載して、世論や政府を動かしていく。

しかし、奇病が蔓延しているノヴィスタンでは医療の質が低下してしまい、救える人が救えなくなってしまうかもしれない。

合成アルコールはどうも怪しいと感じて否定的な記事ばかりを掲載する。

その結果、新聞社のスポンサーでもあるメーカーを怒らせてしまい、上司から釘をさされることに……。

『ヘッドライナー:ノヴィニュース』レビュー07
ボスはスポンサーからの資金を得るため、記事の選択に口出しをしてくる

特定の主張を掲載し続けた結果、世論が動き、今までのノヴィスタンが変わってしまう。

さらに主人公の身近な人の人生も変わってしまうことだってありうる。

プレイヤーが正しいと思ったことが、この国の情勢において良い結果を導くとは限らないのだ。

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カートゥーン感のあるグラフィックと癖になるBGM

『ヘッドライナー:ノヴィニュース』のグラフィックは3Dだが、会話時のキャラクターは2Dになる。

2Dキャラクターは海外のカートゥーン感があり、人によって好みが分かれるだろう。

『ヘッドライナー:ノヴィニュース』レビュー11
主人公の兄・ジャスティン

3Dグラフィックは美麗と言うよりも過去のPS1のようなグラフィック。インディーゲームによくあるチープ感が漂っている。

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自宅に戻った主人公 懐かしさを感じるグラフィックだ

しかし、いい面もある。
プレイ中、ショッキングな場面に遭遇しても、心理的なダメージが抑えられるのだ。

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移動中に見える壁の落書きや、自室から見える看板広告など、世論を反映させたメッセージが出るのが特徴的でおもしろい。

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壁に書かれた落書きは記事の選択によって変化する

シリアスなストーリーにあったBGMもゲームに緊張感を与えている。

リズムマシンのようなドラムに乗せたピアノや、シンセサイザーの音が癖になる。

Chorus WorldwideがアップしているBGM視聴ページ→ヘッドライナー:NoviNews-OST Trial

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周回プレイを前提として短時間でプレイできる

『ヘッドライナー:ノヴィニュース』は繰り返しプレーすることを前提として作られている。

クリアまで1周:1~2時間とプレイ時間が短いため、気軽に周回プレイができる。

私は掲載記事を変えるとどうなるのかが気になり何度もプレイした。

2周目から追加されるキャラクター、シナリオはミステリー調となっており、かんたんな推理も楽しめる。

このシナリオにもしっかりと記事掲載のフラグが埋め込まれているのもおもしろかった。

5~6周ほどプレイすると、さすがに飽きが出てきた。

その頃には記事選択によって決定されるストーリーもおおよそ把握できており、トロフィー(実績)をコンプリートは作業感を感じた。

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まとめ

『ヘッドライナー:ノヴィニュース』レビュー10

総合評価

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シニカルなテーマ設定が面白い社会派ゲーム

『ヘッドライナー:ノヴィニュース』は新聞社の編集長になり、世論を操るという珍しい体験ができるゲームだ。

単純な善悪だけではなく、政府やスポンサーの思惑、自分の立場、他キャラクターの人生などが絡み合い掲載する記事を選ぶのにも苦悩がつきまとう。

プレイヤーはプレイを通して、ニュースの裏側を深読みする感性を養うだろう。

リプレイ前提のゲームシステムだが、数回プレイすると飽きが出てしまい、総プレイ時間は10時間ほどでもの足りない。

珍しい体験やシニカルな視点が好きであれば、購入候補に入るだろう。

グッドポイント
  • シニカルな社会派ゲーム
  • ミステリー要素あり
  • かんたんな操作感
ウィークポイント
  • 数回プレイすると飽きてしまうシナリオ
  • 総プレイ時間は短め

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※記事中全ての画像の出典:『ヘッドライナー:ノヴィニュース』(Unbound Creations / Chorus Worldwide Games)

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えむ

えむ

V系でプロのドラマーとして10年間活動後に引退。
過去の経験を活かし、バンドマンへのアドバイス記事を書いている。

現在はサラリーマンとして勤務する傍ら、古本屋めぐりとホラー漫画の収集に凝っている。このブログでは藤子不二雄(A)、伊藤潤二、呪みちるをはじめとして私が愛する漫画作品を紹介している。

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