ホラーマンガマニアの間で評判の高い、川島のりかずという漫画家がいる。
しかし版元のひばり書房自体がなくなってしまい、現在は入手困難に陥っている。
古本価格が高騰している作品も多く、未読の状態で手を出すのははばかられた。
そんな折、国際こども図書館で川島のりかずの絶版本が読めるというツイートを見つけ、行ってみた。(2018/9/11)
川島のりかず作品の市場価値
元々、ひばり書房から出版されている単行本の定価は380円から。

現在、川島作品で特に高騰しているのは『中学生殺人事件』だ。
まんだらけの買取価格が85,000円 (2018/6/22時点)で、Amazonでの販売価格は375,640円(2018/9/11時点)
ぜひ読んでみたいと思ったが、国際こども図書館の蔵書になかった。

次に高値をつけているのが『フランケンシュタインの男』
まんだらけの販売価格が25,000円 (過去の価格)で、ヤフオクでは約32,000~37,000円で落札されている(2018/9/11時点)
こちらは蔵書があったので、今回は『フランケンシュタインの男』を目玉として読みに行った。

『フランケンシュタインの男』が復刊されたぞ!(2022年12月)
国際こども図書館での閲覧手続き


- 住所:〒110-0007 東京都台東区上野公園12-49
- 休館日:月曜日、国民の祝日・休日(5月5日のこどもの日は開館)、年末年始、第3水曜日
- 開館時間:9:30-17:00
※資料請求や複写の受付時間もあるため、用途によって確認が必要
国際こども図書館は東京・上野にある。国立国会図書館の施設のうちの一つだ。
かなり大きな建物で、雰囲気が良い。
レンガ棟の入り口から入り、連絡通路を通って新館のアーチ棟へ。2階の児童書研究資料室がお目当ての場所だ。
入室時は荷物をコインロッカーに預けて、貴重品、筆記用具を備え付けの透明なビニール袋に入れる。
受付で資料室利用カードを受け取り、いそいそとPCの前に座る。カードキーを読み込ませるとPCが使用可能となる。
川島のりかず作品は閉架になっており、PCで資料請求する必要がある。
請求してしばらくすると準備ができたことを知らせる通知がくる。
準備時間は30分程度と案内されたものの、平日で空いていたのか、10分ほどで本を受け取れた。
収蔵作品ひとこと紹介【ネタバレなし】
時間の関係で4冊しか読めなかったが、『フランケンシュタインの男』が読めたのは嬉しい。内容としては、化け物のお面をかぶって子どもを脅かす狂った男を描いた作品だ。
『殺しても生きてる女』は円満な家庭に突然入り込んだ女が、家族が散々に引っかき回す恐怖を描く。
『私を殺さないでよ!』はドッペルゲンガー(作中ではオーストコピー)を扱い、自分に起きる不幸の予兆現象を物語に仕立てている。
『ちぎれた首を抱く女』は、婚約者よりも婚約者似のロボットを愛した女の悲劇を描くSF作品であった。
ここまで読み終えたところで、タイムリミットとなった。
この他に収蔵されている5冊については、次の機会に読んでみたい。
おわりに
絶版入手困難本は国会図書館で読むという選択も悪くない。
すべての本が網羅されているわけではなく、収蔵作品の入れ替えもあり得るので、事前に蔵書検索をした上で行くことをおすすめする。