伊藤潤二『グリセリド』ストーリー・おすすめポイント【ネタバレあり】

伊藤潤二『グリセリド』

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伊藤潤二先生への愛がほとばしる私、えむ (@mnb_yx)です。

伊藤潤二作品のなかでも、一番気持ちが悪い作品と言っても過言ではない『グリセリド』

作品を埋め尽くすアブラ!あぶら油!脂!

あなたはこのあぶらぎった気持ちの悪さに耐えられるでしょうか?

念のためにお食事中の方は、ここから先を読み進めないでください。

この記事では『グリセリド』のストーリーと私が選ぶおすすめポイントを紹介します。

注意
この記事はネタバレを含みますので、未見の方はご注意ください。
作品の説明で、一部不快な表現がある場合があります。お含みおきくださいませ。 

『グリセリド』のストーリー【ネタバレ】

唯は富士山が見える街に住んでいる。

家が嫌いだった唯は、富士山を見て陰鬱な気分を発散していた。

 

唯の自宅では、小さな焼肉屋「だるま」を経営しているが、店内の換気が悪く、家はベトベトと脂にまみれている。

父子家庭だが、父の掃除は行き届かず、布団や衣類までもが脂ぎっていた。

父は脂性でいつも脂ぎっているし、唯の兄(五郎)は厨房にあるサラダ油を盗み飲みするしている。

脂にまみれた生活をしていた唯は、部屋に充満する油の濃度「油度」を感じられるようになってしまう。

 

兄は思春期に入ると顔中にニキビができ、それが原因でイジメられるようになる。

そのストレスから唯に当たる兄を止めに入った父だが、兄は父にも怒りを向け、顔中にニキビが出来たのは父のせいだと怒鳴り、取っ組み合いのケンカを始めた。

 

それからの兄は部屋に引きこもり、油を飲む毎日を送っていた。

ある日、兄は唯を呼びつけ、油と新しい布団を買ってくるように言いつける。

言いつけながらもイライラした兄が、顔をギュっと手で覆うと潰れたニキビから脂が飛び、唯の顔にかかった。

唯は咄嗟に気持ち悪いと言ってしまうが、それが兄の逆鱗に触れる。

兄は唯に馬乗りになると、自分の顔を両手でギュっと押さえ、大量の脂を唯にかけた。

そして、唯の首に手をかけるが、父が後ろから兄を殴り、唯を助けた。

兄は事切れた。

 

夜道を歩くサラリーマンたちは「焼肉だるま」の話をしていた。

脂ののったいい肉が出る店だと。

店に入ったサラリーマンたちは「おいしい肉」を注文するが、父は品切れだと答えた。

 

唯は奇妙な夢を見るようになっていた。

富士山から吹き出す脂。その脂に流される唯。

この奇妙な夢を見たあとで富士山を見ても、むかしのように気分がスッキリすることはなかった。

 

唯の顔にもニキビができるようになっていた。

ずっと家に引きこもる唯を心配して父が声をかけるが、唯は相手にしない。

そして、唯は脂の濁流に流される夢を見る。

唯が飛び起きると、父が唯にサラダ油を飲ませていた。

兄のようになるのを恐れた唯は、父を警戒するようになる。

 

しばらく店を閉めた父は、サラダ油を飲んでいた。

父の脂性は悪化し、風呂には油の膜が張り、布団にはより脂が染み込んでいる。

 

ある日、トン!トン!という音が聞こえた唯は、音のする方へ向かう。

すると父が包丁を握り、まな板に向かっていた。

まな板の上には、膝から下の部分がのせられている。

そして、父の膝辺りからは、脂がしたたり落ちていた。

 

※出典:伊藤潤二傑作集11『潰談』p107-138「グリセリド」

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『グリセリド』のおすすめポイント

とにかく気持ちが悪い

私が『グリセリド』を読んだときのインパクトは強烈で、よくこんなに気持ちが悪い作品が書けるなと思いました(褒めてます)

一番気持ちが悪いシーンは、兄がニキビを潰した脂を唯の顔にかけるシーンなのですが、その様子が分かりやすい動画がありましたので、紹介します。

ちなみに、アヒージョが唯の顔で、ボトルが兄の顔だと考えてくださいね。

どれだけ気持ちが悪いかお分かり頂けたでしょうか?

どんどん上昇する「油度」

『グリセリド』では、唯が部屋の空気に含まれる油の濃度「油度」を伝えてくれます。

100%に向かってカウントされていく油度を見ながら、物語はどうなっていくのか。

この気持ち悪さが増大していくのか、ゾクゾクする油度カウントが楽しめます。

えむ
『グリセリド』は気持ちが悪いものホラーが好きな方におすすめです!

『グリセリド』単体で読みたい方はKindle版をどうぞ。

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ABOUTこの記事をかいた人

えむ

アラサーが「R30向けの情報を発信する」サブカルチャーブログ「雲外蒼天」の中の人です。 元V系プロドラマー。現在はホラー漫画、笑ゥせぇるすまん、アーティスト紹介の記事が多めです。アーティストへのアドバイスも書いています。