『伊藤潤二傑作集』のおすすめ名作漫画10選【ネタバレあり】

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伊藤潤二10選

一時期は盛り上がりを見せたものの、今は人気が下火となってしまったホラーマンガ。
そのホラーマンガの中でも、独特の世界観と圧倒される画力で人気を博しているのが、伊藤潤二先生だ。

この記事では伊藤潤二先生ファンである私が現在発売されている伊藤潤二傑作集のなかから、1作品ずつおすすめの伊藤潤二先生の漫画を紹介する。

注意
この記事にはネタバレを含む。
また、生理的に不快な表現があるため、ご注意願いたい。

目次(読みたいところをタップ)

『地下室』伊藤潤二傑作集1『富江 上』より

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『地下室』のあらすじ

森田病院に入院している三尾雪子に腎臓移植手術が施されたが、その腎臓は富江の物で、雪子の中では富江が再生を始めていた!という展開で終わった『富江 PART2』の続編『地下室』

森田病院に入院している佐藤は、この病院で奇妙な手術が行われ、取り出されたバケモノが地下室にいるという噂を耳にする。

医者たちの話を盗み聞きした佐藤は、会話の中で出た三尾雪子に接触を図る。その後、佐藤は地下室に侵入するがそこにいたのは水槽の中で座っている富江だった。

【おすすめポイント】水槽の中に佇む美しい富江

『地下室』のポイントはなんといっても、水槽の中で佇む富江だろう。
佐藤が地下室に忍び込んで、懐中電灯で室内を照らしたときに見える富江の後ろ姿は美しくて、儚い。

富江が恐怖の存在だと知っている私でさえも、富江を憐れんでしまうような切なさがつまった富江に心が奪われる。
そして、富江の細胞が入ったことで、徐々に富江化していく雪子にも注目だ。

初期の富江の流れ(『富江』→『富江 PART2』→『地下室』)が一区切りつく作品という意味でも読んでおきたい作品だ。

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『布製教師』伊藤潤二傑作集3『双一の勝手な呪い』より

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『布製教師』のあらすじ

前話『双一の家庭訪問』で布人形に入れ替わってしまった柳田先生。柳田先生の布人形は双一と同じような行動をするようになってしまっていた。

その変化に気付いた双一の同級生・若山降雪は、柳田先生が布製のニセモノだと見破り、双一がニセモノを作ったのではないかと疑う。

自分たちの味方を増やそうと考えた若山たち3人組は曽我先生のアパートで先生の帰りを待っていたが、そこに現れたのは布製の曽我先生だった。

【おすすめポイント】双一によって動き出す布で作られた教師たち

双一によって作られ、動き出す布製人形は柳田先生、曽我先生、若山ですが、彼らが元気に動くところが面白い。

最後には3人が入り混じって大騒ぎになるが、ここで大暴れする曽我先生には大笑いすること間違いなしだ。
(顔は怖いがコミカル)

『双一の家庭訪問』と一緒に読んで欲しい作品です。

死びとの恋わずらい 第1話『四つ辻の美少年』伊藤潤二傑作集4『死びとの恋わずらい』より

『四つ辻の美少年』のあらすじ

霧深い町・難澄市。この町では交差点で待ち、最初に通りかかった人に自分の悩みを打ち明け、その人の言葉で占いをする辻占いが行われている。

昔住んでいた難澄市に戻ってきた深田龍介は、過去に辻占いに答えた際、自分の発言から人の人生を奪ってしまい、その記憶に苦しめられていた。

そんなとき、辻占いに答える美少年が現れる。その美少年は相談者が絶望するような答えを告げ、相談者は自ら命を絶ってしまう。

【おすすめポイント】壊れていく鈴枝ちゃんの切なさ

『死びとの恋わずらい』自体がとにかく名作なので、絶対に読んで欲しいが『四つ辻の美少年』はそのスタートとなる1話目。

龍介のガールフレンドである柴山みどりの友達・田中鈴枝が心に秘めていた龍介への想いを四つ辻の美少年の解放してしまい、そこから壊れていく鈴枝の姿が切なすぎる。

龍介に「友達として」と言われたときの涙、亡霊になってもなお龍介を愛しているところなどは、泣けるぐらい辛い。

『顔泥棒』伊藤潤二傑作集5『脱走兵のいる家』より

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『顔泥棒』のあらすじ

町田由美が転校した学校には亀井という女子生徒がいた。

亀井は町田の行く先々についていき、それに嫌気がさした町田は暴力で亀井を遠ざけようとするが、日比野という男子生徒に止められ、亀井には近づかないように忠告される。「盗まれる」からという理由で。

なんのことだか分からない町田は亀井を追って、声をかけたが、振り返った亀井の顔は半分が町田の顔になっていた。

【おすすめポイント】顔を盗まれることへの対抗策

人の顔を盗んでしまう亀井に対して先生・生徒が取った対抗策は、お面をかぶること。
これには一本取られた。

お面をかぶった生徒たちに囲まれ、酷い変化を遂げてしまう亀井には憐れみを感じる。
顔を盗むというアイディアが素晴らしい。

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『ファッションモデル』伊藤潤二傑作集6『路地裏』より

『ファッションモデル』のあらすじ

岩崎は喫茶店で見たファッション雑誌で薄気味悪いモデルを見つける。しばらくはその気味の悪さが記憶に残っていたが、時間とともに忘れていた。

ある日、岩崎が仲間たちと撮る映画のヒロインを公募することになり、応募者の中に岩崎が以前見た薄気味悪いモデルがいた。

織田の提案で、ヒロインと別にそのモデルを起用することに決まってしまい、撮影のため、みんなで山奥に向かうが、そこでモデルの本性を見ることになる。

【おすすめポイント】ホラーマンガの名物キャラ・淵さん

伊藤潤二先生といえば、淵さんというぐらい有名なキャラクター。その不気味な顔とサイズ感は、一度見たら忘れられない。

淵さんが走りながら追いかけてくるシーンでは、絵だと分かっていても逃げたくなる。
トラウマ級の作品なので、未読の方にはぜひ見てほしい作品だ。

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『中古レコード』伊藤潤二傑作集7『首のない彫刻』より

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『中古レコード』のあらすじ

中山はレコードを聞くため、何度も小川の家を訪れていた。
そのレコードを買いたくても、タイトル、歌手名が分からないため買えず、小川も買った店を教えてくれなかった。

どうしてもレコードが欲しい中山は、小川の家からレコードを盗み出すが、バレて追いかけられる。
行き止まりまで追い詰められた中山は、咄嗟に小川を殺してしまう。

布をかけて隠したが、その下からレコードの曲が聞こえていた。
その翌日、どうしてもレコードが聞きたい中山はレコードが聞ける場所を探す。

【おすすめポイント】旋律に魅入られてしまう人々

中古レコードを聞いた人々は次々とレコードの虜になってしまうというコンセプトが素晴らしい。

作中でレコードが録音された経緯が明かされるが、アーティストの執念がこれほどまでに人々を狂わせてしまうのかもしれない。

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『あやつり屋敷』伊藤潤二傑作集8『うめく排水管』より

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『あやつり屋敷』のあらすじ

北脇治彦は人形劇の旅興行をしている一家の次男として生きていた。

治彦は学校で出会った絹子を家族の車に連れていき、人形を見せる。
絹子がジャン・ピェールという人形を怖がっていることを面白がった治彦は、ジャン・ピェールを使って絹子を脅かす。驚いた絹子はジャン・ピェールを弾き飛ばしてしまう。

その後、治彦の家族は家出や病死でいなくなり、治彦と妹・夏美のみになる。
二人がつつましく暮らしていたある日、治彦は町で絹子と再会し、家には家出した兄からの手紙が届いていた。

治彦と夏美は兄の家を訪れたが、そこには大きなお屋敷があり、出迎えてくれたのはジャン・ピェールだった。

【おすすめポイント】ジャン・ピェールの伏線

治彦が再会した兄家族は、自分のお屋敷であやつられて生活していた。
私が好きなのは、屋敷の案内係となったジャン・ピェールだ。

特に好きなのは、むかし嫌われ、弾き飛ばされたジャン・ピェールが絹子に会った瞬間にあやつられていた家族が崩壊し、絹子が殺されてしまい、治彦はジャン・ピェールがすべてをあやつっていたことを悟るシーン。

この作品の冒頭で雑に扱われたジャン・ピェールが絹子への復讐を果たすという伏線がたまらない。

えむ

伊藤潤二傑作選8『うめく排水管』は名作が多いから悩んだ……

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『ご先祖様』伊藤潤二傑作集9『墓標の町』より

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『ご先祖様』のあらすじ

記憶のなくした理佐のもとには恋人の牧田が付き添っていた。
理佐は記憶を取り戻せなかったが、不気味な毛虫の夢を見るようになった。

ある日、理佐は牧田の家を訪れると、牧田の父が仰向けになり地べたを這って、部屋から出てきた。
牧田の父の様子から何かを感じた理佐だったが、記憶が戻ることはなかった。

その後、再び牧田の家を訪れ、父の様子を見た理佐はすべてを思い出す。

【おすすめポイント】ご先祖様が……繋がってる!

ご先祖様のインパクトが凄まじい。

牧田家は代々、自分の頭蓋骨をつなげていくという文化があり、先祖代々の頭蓋骨が脈々と繋がっているのですが、その発想と繋がっている絵がトラウマもの。

父が亡くなり、その頭蓋骨に頭を重ねる牧田の表情にはいろんな感情が入り混じっていて、少し同情してしまう。

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『侵入者』伊藤潤二傑作集10『フランケンシュタイン』より

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『侵入者』のあらすじ

押切は自分が住む屋敷で聞こえる足音に怯えていた。

ある日図書室で「世界の七不思議」を読んでいたところ、同じ机で話していた3人組と出会い、異次元について話すことになる。

押切は3人に足音のことを伝えると、彼らは亡霊だと盛り上がり、押切のお屋敷に向かう。

【おすすめポイント】異次元の押切

人気の押切シリーズの1つ。

屋敷に呼んだ3人組は異次元の押切が大笑いしながら消えていくところを目撃。

その後、3人は埋められている自分たちを発見し、押切のせいじゃないと言いつつも、自らを再び埋める作業をする姿からは押切へのやり切れない気持ちが感じらる。

確かに異次元の押切が行ったことなのだが……。

伊藤潤二傑作選10には他の押切シリーズも収録されている。 

『グリセリド』伊藤潤二傑作集11『潰談』より

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『グリセリド』のあらすじ

唯は薄暗く脂ぎった家に住んでいた。母親はおらず、父と兄の3人暮らし。
父は脂ぎっており、兄はサラダ油飲むという不思議な趣味があった。

兄は思春期になるとニキビだらけになり、いじめられ、家にひきこもるようになった。
そして、毎日のように油を飲んだ。

【おすすめポイント】不快ランキング1位の気持ち悪さ

最初に伝えなければいけないのが、この作品は読む人を選ぶということ。
気持ち悪さが群を抜いているので、注意が必要だ。

私も現実だったら卒倒していると思う。
それほどまでの気持ち悪さが、なぜかクセになります。とくに兄が上からニキビ攻撃をしてくる様子はおぞましい。

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おわりに

この記事では私が大好きなホラーマンガ家、伊藤潤二先生の傑作集から1つずつおすすめの作品を紹介した。

伊藤潤二先生は短編が多いので、どこから読んでも楽しめる。

富江、双一、押切シリーズなどは、続けて読むとコレが繋がっているのか!
なんて発見することも多いので、伊藤潤二先生の世界をさらに楽しみたい方は、連続で読んでみてはいかがだろうか。

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伊藤潤二10選

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