【感想】諸星大二郎『雨の日はお化けがいるから』はノスタルジックで不思議な怪異譚

諸星大二郎劇場第1集『雨の日はお化けがいるから』

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ホラー漫画好きの私、えむ (@mnb_yx)です。

ホラー漫画に興味を持ってからの私は、伊藤潤二先生や楳図かずお先生の作品ばかり読んでいました。

諸星大二郎先生の作品は『栞と紙魚子』しか読んでおらず、もうそろそろ諸星大二郎作品にも手を出そうと、新刊で発売されていた諸星大二郎劇場第1集『雨の日はお化けがいるから』を手に取ったのです。

読み進めてみると、怪奇でありながらも、どこか儚く、クスっとできるような名作で、私はなぜ今まで諸星大二郎作品を読んでこなかったのか後悔しました。

この記事では、諸星大二郎劇場第1集『雨の日はお化けがいるから』を紹介します。

『雨の日はお化けがいるから』収録作品

  • 異界のとの綱引き「闇綱祭り」
  • お化けとルールを作る「雨の日はお化けがいるから」
  • ゴジラの夢を見る「ゴジラを見た少年」
  • 影が動き出す「影人」
  • 不思議な読後感「(眼鏡なしで)右と左に見えるもの〜エリック・サティー氏への親愛なる手紙〜」
  • 悪趣味クラブでの会話「空気ような・・・」
  • 博士のお茶目奇談「怒々山博士と謎の遺跡」
  • 博士のお茶目奇談その2「怒々山博士と巨石遺構」
  • 川から流れてくる物「河畔にて」1〜3話

いずれもグロテスクな表現で恐怖を煽ってくるような作品ではなく、「不思議」がメインです。

そのため、ホラー漫画の過激な描写は苦手だけど、不思議な話は好きという方にはおすすめです。

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おすすめ作品「闇綱祭り」

「闇綱祭り」あらすじ

リューイチは町で行われていた闇綱祭りのヒキテ(引き手)に選ばれた。

闇綱祭りは片身神社で行われる「オツナヒキ」のことである。

毎年選ばれた町人がオツナヒキをすることになり、リューイチもオツナヒキのメンバーに選ばれる。

「闇綱祭り」感想

闇綱祭りは文字通り「闇」との「綱引き」ですが、勝ち負けを争うのではなく、均衡を保つことが第一とされています。

つまり双方が引き分けを狙っているのです。

そんななかで毎年引き分け続きだった闇綱祭りの掟が崩れ、こちら1人が闇に引きずりこまれてから、こちらの世界に恐怖が芽生えます。

この恐怖こそ、誰しもが持っている闇と言えるでしょう。

それぞれが距離を保っていれば、お互いが気にすることなく日々を過ごしていけるが、その距離が崩れてしまった途端に関係がおかしくなるような状態。

お互いが適切な力で引っ張っていた綱が、緩めたり強く引っ張ったりしてしまうことで、関係が壊れてしまう。

闇綱祭りという特異な行事に日常の人間関係を重ねてしまいました。

おすすめ作品「雨の日はお化けがいるから」

「雨の日はお化けがいるから」あらすじ

守は雨の日が嫌いだった。

雨の日にはお化けがいるからだ。

下校するときはお化けがついてこないように自分ルールを作り、お化けとの距離を保っていた守だが、ある日ルールを外れてしまう。

お化けに追いかけられ、焦っていた守は茜という女の子に助けられ、お化けとのルールを変えることになる。

「雨の日はお化けがいるから」感想

私がまだ小さかった頃、よく近所を探検していました。

まだ日があるうちは、ズンズンと進んで行けるのですが、夕暮れが近くなると途端に恐怖と寂しさで家へと逃げ帰るような臆病な子供でした。

夜は暗闇そのものが怖いのですが、夕暮れには日が沈むとの一緒に私も引っ張られて消えてしまうような恐怖がありました。

大人になってから振り返ると、あの頃の私は臆病で、ありもしない何かを恐れすぎていたと思うのです。

『雨の日はお化けがいるから』では、帰り道についてくるお化けとのルールを勝手に自分で決めていきます。

もちろんお化けは怖いし、できるだけ関わりたくはない。

恐怖との距離を取るために決めたルールが破られてしまったときにふと訪れた不思議な少女。

私の前にもあのような少女が現れてくれればもっと勇敢な子どもになれていた気がします。

おわりに

諸星大二郎劇場第1集『雨の日はお化けがいるから』は過激な描写はありません。

ノスタルジックで不思議な作品が多く収録されているので、ホラーに興味あるというよりも不思議な話が好きな人におすすめできる漫画です。

私のおすすめ作品としては「闇綱祭り」「雨の日にはお化けがいるから」をあげました。

2つの作品ともに不思議でノスタルジックな雰囲気を存分に味わえる作品です。

それ以外にも不思議で軽妙なタッチの「影人」や少しホラーな「空気ような・・・」など、バラエティに飛んだ諸星大二郎劇場第1集『雨の日はお化けがいるから』

休日前の夜にのんびりとした時間のお供に最適ですよ!

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ABOUTこの記事をかいた人

えむ

アラサーが「R30向けの情報を発信する」サブカルチャーブログ「雲外蒼天」の中の人です。 元V系プロドラマー。現在はホラー漫画、笑ゥせぇるすまん、アーティスト紹介の記事が多めです。アーティストへのアドバイスも書いています。